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「ホウ酸処理の第二人者」が、“正しいホウ酸処理”を広めるために日本全国を疾走中!
2009年04月22日 (水) | 編集 |
こんにちは。

日本ボレイトの浅葉健介です。



昨日(4/21)、和歌山毒物カレー事件について最高裁が上告を棄却、判決が確定しました。

もう11年も前なんですね。



この事件はシロアリ業界に、とってもダーティーなイメージを与えました。

営業に行くと「あぁ、あの和歌山の…」なんて言われてしまったり。

「いえいえ、あれは【ヒ素】。こっちは【ホウ素】でして…」なんて説明したのも1回や2回ではありません。



今日は、皆さんの記憶が喚起されたここで改めて、木材保存業界における【ヒ素】と【ホウ素】の関係について書きたいと思います。

長いですが、とてもためになると思いますので、ぜひ最後までお読みください。



【ヒ素】(元素記号As)
IARC(国際がん研究機関)において、発がん性物質とされている成分

その毒性の強さから、昔は暗殺や戦時中の毒ガスなどにも使われていたようです。
(ナポレオンの毒殺にも利用されたとか…)
そして、木材保存としても利用されました。
とりわけよく効いたのが「CCA」。

「CCA」とはクロム・銅・ヒ素を含む木材保存剤です。
1933年、インドのSonti Kamesam博士により開発され、その後世界中で使われるようになりました。

しかし1990年代になると、ヒ素は水に溶け出したり、簡単に昇華(固体から気体になること。沸点614℃)してしまうことから環境汚染につながるとして世界各国で規制されるようになりました。

米国ではU.S.EPA(米国環境保護庁)長官が2002年2月、CCAのようなヒ素を含む処理木材からの移行を発表。
産業も自発的に使用を禁止し、U.S.EPAは2004年1月から住宅への使用を禁止しました。

2008年には、U.S.EPAが「CCAの代替品としてのホウ酸塩」というリポートを公表。
以下に翻訳文を掲載します。



CCAの代替品としてのホウ酸塩

ホウ酸塩(DOT)の説明と化学処方

ホウ酸塩保存剤(DOT)は、木材および木質複合材料を腐朽菌やシロアリのような木材劣化生物から守るための低毒性代替品である。ホウ酸塩保存剤は70年以上住宅および商業建築で効果的であることが証明され、その性能は広範囲な野外試験で支持されている。

ホウ酸塩は自然界では岩石、土壌、水、および全ての生物に微量含まれている。したがって、ホウ酸塩の環境への影響は極めて低い。また、ホウ酸塩は植物にとって必須であり、人間にとっても栄養学的に重要で、ガラス繊維、ガラス、セラミック、洗剤、肥料の重要な成分である。

木材保存剤としてのホウ酸塩の使用は、1990年、米国木材保存協会(AWPA)により初めて規格化された(1)。ホウ酸塩は規格では無機ホウ素という名称でリストに入れられ、SBXと略される。

八ホウ酸二ナトリウム四水和物(DOT)は、特に水性木材保存剤用に処方されたもので、ほぼ中性のpHで最高ホウ素濃度(水に対する最高溶解度および溶解速度)が得られる。DOT(Na2B8O13・4H2O)は、EPAおよび行政当局により、全アジア、北アメリカ、ヨーロッパで登録されており、次のような明確な性能を持つ。

 ・広いスペクトルの病害虫に対し、殺菌剤、殺虫剤として有効である。
 ・ターゲットの生物がDOTに対する耐性を獲得することはない。
 ・植物にとって必須であり、人間にとって栄養学上重要であり(2)、自然界のいたるところに存在する。
 ・無機塩である(非揮発性、ガスの発生なし)。
 ・無臭、無色で金属や建材を腐食しない。
 ・有害廃棄物ではなく、RCRA、CERCLA、SARA、清浄水法、飲料水安全法、清浄大気法のリストに入っていない。

ホウ酸塩の用途

DOTは、AWPA規格では、使用区分UC1、UC2の用途にリストアップされている。この使用区分では処理木材は非接地・非曝露条件で使用されるが、湿気源に触れても良い。典型的な用途としては、家具や枠組み、腰板、土台、胴縁、トラス、根太などの屋内用建材である。


(1)米国木材保存協会(AWPA)は加圧注入木材の規格化に対する主たる規格制定組織である。AWPA規格となるためには、加圧注入処理木材は厳しい試験により耐久性を確認されねばならない。

(2)The Food and Nutrition Board, Institute of Medicine, Dietary Reference Intake (DRI) Report, 2000 National Academy of Sciences.


※原文はコチラ…米国環境保護庁

U.S.EPA_report




わが国では2008年2月、DOT(登録名:ティンボア)が日本木材保存協会(JWPA)に認定されました。

JIS K1571:2004(附属書)による認定です。

それでも、住宅性能表示制度の劣化対策等級で認められるには、JASのK3相当以上(JASK3以上、AQ2種以上、もしくは大臣認定)と認められなければなりません。

しかし、評価機関が認定作業を受け付けてくれないとか……。

いろいろありますね。

早く認められて欲しいものです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

浅葉健介でした。



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2009年04月13日 (月) | 編集 |
【質問】
あるサイトに「ホウ素は分解されないため、体内に蓄積していきます。」とありました。
また「シロアリに害があるということは人にも害があるということです。」ともあります。
本当ですか?
(ビルダーさんから、電話で)

【回答】
「人間がホウ酸0.5グラムを含有している水溶液を一度に飲んだ場合に21,96時間後には摂取量の半分と全量がそれぞれ尿として排泄される」(角田邦夫: 木材保存 Vol.25-2(1999))

ヒトがホウ素を摂取した場合、比較的短期間のうちにその全量が尿として排泄されることがわかっています。
一方、シロアリなど血液浄化機能を持たない生体は排泄できず、いずれ死に至るのです。

わが国の業界や有識者の方々にはいまだ根強い「ホウ酸アレルギー」があって、こういった議論も多々なされます。
ただ、考えてみるとですね。

ホウ素を体内に摂取する可能性があるのは“施工者”のみです。
施工する方がキチンと理解し、マスクをつけて作業すれば問題ないのです。

そもそも、お施主さまがホウ素を摂取することは“絶対”に無いのです!

……いや待てよ。
床下に潜って処理材をかじれば摂取できないこともないんだから、“絶対”ではないのか……。

この世の中、“絶対”なんてことあり得ないですもんね。
絶対に。



2009年04月07日 (火) | 編集 |
【質問】
NHK「クローズアップ現代」の『マイホームが危ない!~外来シロアリの脅威~』という回で、アメリカカンザイシロアリの特集をやっていました。
ホウ酸は効きますか?
(これから建てるお施主さんから、電話で)

【回答】
効きます。
米国のアメリカカンザイシロアリ予防には、ホウ酸塩が使われます。
被害が特に多い米国西部や南部の多くの新築住宅では、構造材のすべてをホウ酸塩で処理します。
これは、「駆除」よりも「予防」のほうが、効果やコスト的に重要だからです。
「駆除」は“燻蒸”を行うことが多いのですが、1万ドル(約100万円)ほど掛かる上、2-3日退避する必要があり、しかも予防効果はありません。
つまり、退避していた人間が入れるようになったら、シロアリも入れるのです。
一方、ホウ酸塩で処理しておけば、コストも安く、安全に、半永久的にアメリカカンザイシロアリの侵入を阻止することができます。
わが国においても、特に近隣にアメリカカンザイシロアリの被害が出た地域に新築される方は、ホウ酸塩で予防処理されることをお奨めします。



2009年04月06日 (月) | 編集 |
こんにちは。

日本ボレイトの浅葉健介です。



今回は、『「ボロンdeガード」って本当にイエシロアリにも効くの?』を確認しようとフト思い立ち、実際にやってみたのでご報告です。

有効成分であるDOT(ホウ酸塩)の公的・非公的な試験はそれこそ世界中に山ほどあるので、今回はとっても簡単な方法を採りました。



まず、小さい容器に水をしみ込ませたキッチンペーパーを敷きまして、その上に小さくカットしたスギの木片(未処理)を置きました。

そこにイエシロアリちゃん150頭あまりを投入!

1ヵ月ほど経ってから見てみると、さすがはイエシロアリ。

みごとに喰っています。

喰われたスギ



さて、次は処理材の番。

無処理木片を取り出し、今度は「ボロンdeガード・DIY」でDOT15%に調製した水溶液を適量ハケ塗りして、設置。

イエシロアリ_テスト_スタート



こちらも1ヵ月ほど放置しましたが、目では齧られたことが確認できませんでした。

喰われたスギ



やっぱり効きますね。

“やっぱり”というのも、実はJISの室内試験も野外試験も私が担当してやったことがあるので、“やっぱり”なのです。

そして、この木片からホウ酸塩が無くなることは、半永久的にありません。

……水に浸けないかぎりは。



最後に、

残念ながら、お亡くなりになったシロアリたちに、合掌……。



浅葉健介でした。



2009年04月01日 (水) | 編集 |
こんにちは。

日本ボレイトの浅葉健介です。



始めたばかりのこのブログ。

なのに、すっかり更新がご無沙汰になってしまいました。



お客さまから、

「楽しみにしています!」

とか、

「タメになる話や面白い話を期待しています」

とか、

とっても嬉しいメールもいただいたことですし、時間を作って少しずつでも更新していこうと、新年度を迎えるに当たり改めて心に誓いました。



そもそも、「忙」という漢字は、“心”を“亡くす”と書きます。

昔の人はよく言ったものだなぁ、なんて感心したりもしますが、やはり忙しいからって心を亡くしてしまっては本末転倒だと思うのですよ。

そんなときこそ心にゆとりを持って、たまにはメガネを外してみたり。



……とまあ、どこかで聞いたようなことを申しましたが、ようするに「ガンバリますよ!」

あまり背伸びはしないようにして。

心を亡くさないようにして。



……と、新年度の誓いを立ててみたはいいのですが、今日はエイプリルフールじゃないですか!



浅葉健介でした。